これからの伝統芸能 はどう生き残るか?

こんにちは。

薩摩琵琶演奏家の水島結子です。

今日はずーっと考えてきた「伝統芸能はもうこのまま廃れるしかないのか?」という問題についてひとつの提案をしてみたいと思います。

もちろん、今はネットが普及し、無料で楽しめるコンテンツがたくさんありますから、それ以前のような盛り返しは難しいとは思っています

 

また、一生消費できないくらいの娯楽がありますから日本人全員に楽しんでもらえるというのも難しいかと思います。

 

今までやられてきた伝統芸能盛り返し作戦

1 伝統芸能の教室

 

これは多くの方がやっていることですし、私もめっちゃ力を入れています。

ただ、問題として「自分でやってみたい」と思って道具を買い、何年も稽古を続けられる人はそれほど多くありません。

進学や就職、転勤や結婚、介護などでやめてしまう方も多くいます。

それでも自らの身体を通して学んでみたいという方には全力で教えたいと思って教えている伝統芸能者は多いですよね。

 

2 海外の方を対象にしたインバウンド、文化体験

 

着付けをして、日本の文化を体験してもらうというのはだいぶ長くやられている試みですよね。

たしかに着物を着て和食を食べたりするのは旅の思い出になります。

茶道や着付け体験はわりと成功したと言えるでしょうが、伝統文化体験はどうでしょうか?

私もコロナ禍前はよく海外の方向けにホテルや旅館、お座敷で演奏したのですがやはり理解をしてもらい、ましてや演奏を体験するのはとても難しいと思います。

ひとつは言葉の壁ですが、英語で琵琶歌というのも韻を踏めず難しいのと、単純に直訳したらいいものでもありません。

昔の和歌や漢詩からの引用というニュアンスも全部消えて分からなくなってしまいますし、リズム感も違う…

だからといって、歌のない演目や和太鼓のみを見せるというのも違うと思うんです。歌がメインの伝統芸能だってありますから。

 

また、和楽器を体験分だけ用意しても大人数を教えるのには人手が足りませんし、費用対効果を考えたら大変です。

琵琶は一度に目をかけられる人数が4人ほどなので、50人で琵琶体験という場合は順繰りに回っていくか、お弟子さんの手を借りたりしなくてはなりませんでした。

しかも楽器も相当数用意する必要があるため、多くの演奏家が難しいと思います。

貸し出し用ではなく、本番で使っている楽器を素人の体験教室で自由に貸すのはちょっと…って感じですしね。

 

3 海外公演

 

これはほぼギャラが払われないことが多く、何度かお断りしたことがあります。(宿泊と食事だけ面倒見ます!って言われるけどそれはすらない持ち出しで言われることもしばしばありました)

また、和楽器を運搬する費用や保険を断られたり(琵琶の場合はもう1席航空券が必要なので)、ビザがきちんと音楽興行ビザでないと故障や盗難などのトラブルが起きた際に自分が困ることになります。

前述したように、言葉の問題からイベンターが歌があるものを除いて、ポップスやよく知られた曲などを伝統芸能で演奏させるという公演が多いですが、私はこれについては懐疑的です。

日本だけでなく、アジアの伝統芸能は歌がメインで、楽器は歌を立てるように演奏されます。

その事実を知ってか知らずか歌の歌詞が分からないからという理由で見せないのは意味があるのでしょうか…

 

という感じであまり海外公演は参加していない私ですが、これはいまだに行われている方法ですね。

 

私は上記二つの方法は限界があると感じています。

実際に自分もやっていたから言えることですが、日本人がだめだから外国人に!ということ自体が短絡的だなと思っていて。

日本人にももっと目を向けられるのでは!?と熟考しました。

そして考えついたのが、まだほとんどの人が行っていないマインド講座です。

伝統芸能を自分で習うのはちょっと…とハードルが高く感じている方にも学んでもらいやすく、伝統芸能者として培ってきた考え方、日本の文化の考え、自分軸の持ち方などについて講座にし、講義をするという講座を持つことをお勧めします。

これは社会的にもニーズがあり、女性起業家などがこぞってやっているのがこういった講座です。

大学などでは学ぶことのなかった、「自分を好きになる講座」「自己肯定感をあげる講座」「婚活講座」「スピリチュアル能力を伸ばす講座」など…。

 

私はひそやかに「自己肯定感を上げる講座」「起業塾」「コーチング講座」などを受講してきました。

おそらく受講額は皆さんがびっくりするくらい…数百万にのぼります。

そこでたくさんの講座を主催する方に出会ったり、自分の講座を作る考えを学んで琵琶を教えることはまた別に教えています。

「生きづらさを解消し、魅力を引き出す講座」は、自分の魅力を発見し、人とのコミュニケーションが円滑にいくように自分自身に革命を起こして自由に生きる講座でリピートしていただいている人も数多くいる講座です。(現在私がやっているのはこの講座と、ゼロから始める起業講座のみ)

これは伝統芸能者側が、自分の考えを言葉として表現する言語化能力が必要だったり、集客などの勉強が必要ですが、これに関しては今はどの分野の仕事の方でも学ぶべきなのではないでしょうか。

 

教えることに関しても「見て学べ」という時代は終わり、「こうしたらこうなる」という言語化にする力は必須です。

私のお弟子さんたちが短期間で上達しているのは、私が徹底的に言語化に徹してきたからだと自負しています。

(手の角度とか、姿勢に関してと楽器の扱い方については特に口うるさい自信があります✋)

 

伝統芸能者は、せっかく生き方に一家言ある方が多いのだから、こういった講座を開催してはいかがでしょうか。

でも私もかなーーーり、自分のファンの方や周りに言うのが憚られたというか、「金儲けと思われたらどうしよう」とか「稽古に専念しろとか怒られたらどうしよう」と思って、この講座を開催していることを言えませんでした😢

ずっと、本名ではなくビジネスネームで講座をやっていました。

 

ですが!

私が楽しい!と思える仕事って琵琶関連の事業か、このマインドを変えて人生を明るくする講座主催のときだけなんです。

言ってしまえば、バイトを含むほかの仕事でも楽しいとは思えず、「頑張ったらできる」くらいなんですよね。

なので、大概そこそこの成果しかあがりません。

楽しい!と思えると、勝手に仕事以外の時間も使って学んでいたり、時間を忘れて没頭できるものです。

でもバイト程度のものだと時間が早くたたないかなーとか、行きたくないなーなんて思うもの。

そんな気持ちで臨んでいる仕事でいい成果が上がるわけがありません。

 

稽古に専念したとて、公演だけの収入では生活を支えたり楽器を買ったり、私の夢である、琵琶の工房を構えるくらいの収入にはなりません。

ほとんど見に来てくれない方に限って(または私の演奏を見たこともない人に限って)、「伝統芸能者は稽古に専念しろ(怒)」とか言ってきたりするんですよね。

私にも自分の人生があります。自分の人生を善く生きる権利があります。

 

その人の言葉を聞いたからといって、私が幸せに生きていけるでしょうか?

私が言うことを聞くべき人は私が決めていいはずです。

なので、伝統芸能者でこれからの人生どうしよう?と考えている方は胸を張ってこういう講座をやっていってほしいと思っています。

ノウハウが欲しいなら聞いていただければと思いますし、公演や指導以外でも収入を得られ、自分の経験値が生きる仕事があるということを知っていただけたら嬉しいです。

 

今は仕事は自分で作れる時代!
令和を生きる伝統芸能者も、自分の能力をもっと信じて舞台以外でも発揮していきましょう

 

 

 

 

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