琵琶の稽古の受け方①予習より復習を!

琵琶のお稽古の予習・復習はどうすればいいのかな?
まだはじめたばかりで、どうやって習ったらいいのかよくわからないよ…

 

こんなお悩みに答えます。

 

琵琶教室での基本はマンツーマン、ほかの人がどういった稽古を受けているか気になりますよね?

 

それに稽古の受け方というのは、具体的に習わないことが多いです。

 

でも、伝統芸能においては稽古の受け方を知らないと時間もお金も無駄にするので、ぜひ知っておいてほしいです!

 

びわ@ゆんころ
私は恥ずかしながら5,6年ほど、稽古の受け方を間違ってとんでもなく時間を無駄にしました笑
ずっとへたくそで上手くなりたいなぁと毎週稽古に通っていたのですが、伸び悩んでいました
いまは効果的に稽古を受ける方法を会得し、門下生の方々も2,3年ですらすら歌え、弾けるようになっていて、羨ましいほどです笑そんな琵琶教室を運営しつつ、いまだに月に何度も稽古に通い続けている(19年目)私が答えます。

 

 

結論
音の予習はしなくてよし!復習に全力を捧げろ!!

 

Youtubeなどで公開されている動画は、参考程度にとどめたほうがよいです。

 

なぜなら、流派や先生のスタイルごとに芸は違うものだからです。

 

予習したつもりで自分の先生以外のYoutube動画を見て覚えて行っても、結局は直されて嫌がられるだけかも…。

 

たまに「〇〇先生はこうやっていました!(ドヤァ」という方もいますが、だったらその先生に習ったら?と言われておしまいです…。

 

また、Youtube動画も玉石混交なので、どれを参考にすべきかは初心者にはわからないものです。

 

 

実際に稽古をうけたことをその場で覚えていくようにして、習ったことを徹底的に反復して体に落とし込んでいくスタイルにしましょう。

 

先生がOKしてくださるなら、「録音」か「動画」をとらせていただくのもいいと思います。

 

動画用カメラを回しっぱなし…というのは嫌がられる可能性がが高いので(勝手に動画をアップされるとやっぱり困るものですよね)、iPhoneICレコーダーで録音させてもらうようにしましょう。

 

 

どうしても予習がしたい人は、音源で覚えるのではなく、扱っている題材について深堀りしていくのをおすすめします

 

具体的になにをすればいい?

演目の「題材」に出てくる主人公を具体的にイメージできるようにしよう!

たとえば、あなたは『平家物語』の「敦盛」を習うことになったとしましょう。

 

YoutubeAmazonで「敦盛」の音源を検索して聞きこんでいくのではなく、『平家物語』原文を読み込んでいきましょう。原文は、ここでは文庫本で読める版のテキストについて考えてください。

 

平家琵琶でないかぎり、流派それぞれの「敦盛」の歌詞になっているはずです。

 

『平家物語』原文と自分の流派の「敦盛」はどうちがうのか?

このときの敦盛の装束と馬の様子は?

熊谷次郎直実の装束と馬の様子は?

どのくらいの近距離で戦ったのか?

この時代の戦のルールは?

熊谷次郎直実の息子、直家はどんな人?

このときの源平の布陣は?

 

…など細かく設定場面を頭に入れて稽古に臨む方が、付け焼刃的に聞いた動画の知識よりもずっと役に立ちます。

 

自分がイメージできて歌えなければ、いつか舞台にたったときに聞いてくれるお客さんには、けっして伝わりません。

 

どのような場面をどう歌い、どう弾くかは、最終的には自分の頭の中で描かなくてはならないので、このような予習はどんどんしていきましょう。

 

ちなみに、敦盛と熊谷の装束は見るからに身分の差が出ていて、いかに敦盛が身分の高い青年であったかが表現されていますよ。

 

そうはいっても、やっぱり実際になにか音源を聞いていった方が覚えられそうだけど…
いろんなレパートリーを覚えたいから、早く進みたいんだよね

 

耳から聞けば早く覚えられるというわけではありません。

 

長い時間をかけても深く題材に向き合うことで、物語を俯瞰して弾き語ることができます。

 

よく「登場人物になった気持ちで歌いましょう」というひとがいますが、琵琶奏者は物語を俯瞰して語り、場面の様子を琵琶で表現するのであって、俳優ではありません。

 

全体像を常にイメージしながら稽古を重ねると、その物語についての理解が深まり、どのように演奏すればいいのかだんだんと肉付けされていきます。

 

 

時間はかかりますが、その演目をやることになったのも、何かの縁です。

 

これを機にどんどん調べて理解を深めて、稽古に臨んでください。

 

余談ですが、琵琶歌は録音時間の関係上切り貼りされていて、いま現在見聞きされているものは短くなっているものが多いです。

 

同じ流派で同じ作曲者でも短くするために節を変えたり、弾法(琵琶のみ)を簡略化したり長くしたり…も日常的に行われるので「メロディ」を覚えるように覚えて行っても、節が違ったら歌詞が同じでも全く違う音程で歌う必要があります。

 

それもあって、ネットで拾える音源を丸暗記していくのは意味がない、とも言えます。

 

まとめ
・琵琶の稽古前に音の予習はいらない
・予習をするのであれば、「題材への理解」を深めるために勉強していく
・予習よりも復習!習ったことを体に落とし込んで次回の稽古に臨むべし

では、ビワビワ役立つ情報を!

よーし復習に全力を注ぐぞー!
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