文字を書くことをTwitterと手書きのらくがき帳以外でしなくなった昨今です。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。
今日は思う事あり、私としては雑記ですがざっと日本初の薩摩琵琶ライバーとなった経緯をまとめてみようと思います。
薩摩琵琶ライバーを始める少し前
2020年5月頃まで4カ月ほど、コロナの緊急事態宣言下におかれ数人の熱心なお弟子さん以外の琵琶のお稽古は休まざるを得なくなりました。
同時に、どうしたら琵琶の上達が見込めるのかというこの琵琶関連のブログも開設しました。
ブログといっても、レンタルブログなどではなく、wordpressを勉強して初めてサーバ―を借りるとこから立ち上げてみました。
ブログは昔から書いてはいたのですが、特にターゲットなどを絞った感じではない雑記だったので琵琶に特化したブログが書きたかったんです。
おかげで何人かブログを見て、私の元に入門してくださった方がいらっしゃいます。
琵琶というキーワード自体がこの検索の海の中ではかなり少ないので、情報は適切にネット上においておかないと、という考えから今さらですがブログです。
Youtubeも勧められるのですが、新卒でネット広告の会社にいてネットの世界を多少知っている私としてはYoutubeはレッドオーシャンすぎるし、演奏は好みもあるので考え方を伝えるにはテキストの方がいいかなと未だに思っております。
ネットを介しての発信活動をやるなら稽古しろなど言う方がいるのですが、ネットが現代人の生活の中に当然のものとしてあるのに、ネットが苦手だからと発信をしないことは、新規開拓にはつながらないので私は皆さん出来る範囲でやった方がいいと思います。
というのも、コロナ禍で今迄は声をかければ必ず来てくださった年配のお客様たちが演奏会に足を運ばなくなった、そもそも演奏会自体開催がかなり難しいなかでは、ネット以外で集客が難しい状況。
新規のお客様を入れない芸能は必ず廃れる。
新規開拓は芸能だけではなく、営業活動でも必ずやらなければなりません。
私はなぜ琵琶をやっているのにネットの海に飛び込んだか
話は大学卒業後にさかのぼります。
どうやって最小予算で最大の効果を上げられるかを考えられるから、という理由で広告代理店に就職しました。
もちろん広告代理店の知見を琵琶の広報や宣伝活動に役立てるつもりでした。
ネット広告が波に乗ってきて幸いにもGoogleやYahoo!といった会社に伺ってネット広告とは?のノウハウを学べたり、実際にリスティング広告のアカウントを回したりさせていただき、とてもラッキーでした。
行動ターゲティング広告が出たばかりで、業界がざわついていたころの話。
学生の頃から「どうやって琵琶をひろげる?」…そればかり考えて今に至りますし、ずっと永遠の課題になると思います。
「芸がよければ認めてもらえる」のか
これはどなたも言う言葉です。
ネットで宣伝なんかしなくても、ブログやSNSなんてやらなくても「芸がよければ認めてもらえる」と。
本当にそうでしょうか?
家で琵琶弾いていて、超絶上手くても絶対に絶対に評価はされません。
評価するのは実際にお客様だし、応援してくださる方々だし、あとは見えない世間というもの。
最近少し考えていることですが、日本社会における芸能や芸術の判断基準はものすごく「主観」がまかり通っています。
審査員に媚びたり、審査員関係者が賞をとるシステム。
芸術家が多数成功をおさめている海外では、商業として芸術が成り立っています。
その差は何だろう…というのが最近の主な興味、というか考えていること。
まだ明らかな答えは出せていませんが、ざっくりといえることがあります。
絶対的に個人が抜きんでる必要があり、他の人と同じことをしていても評価は得られないということ。
私自身は本来は文章を書いたり、本を読んだりするのが好きで芸事で目立ちたいという希望はありませんでした。
でもここ数年は、自分が少しでも名を残さない限り、琵琶というものは知られないかも…と思うようになりました。
世界初の薩摩琵琶ライバーとなった私
前置きが長引きましたが、私が薩摩琵琶ライバーとなった経緯をお話しします。
コロナが収束しそうもなく、琵琶教室が閉じたとか、うちのお弟子さんの何人かがやめたりして本格的に「このまま演奏会や教室ができなくなったら琵琶は廃れてしまうのでは?」と日に日に思うようになりました。
私はもう10年以上戦前の薩摩琵琶界の研究をしているのですが、第二次大戦前後がまさに今の状況と似ているなと感じており、「生活で手いっぱいで芸事どころではない」人が増えたら…と本気で琵琶界のことを心配するようになりました。
人を演奏会に呼べないのであれば、ネットで配信したらどうだろうか…
でも人前で何事もないことを話すの凄い苦手…うああああ( ;∀;)という葛藤とともに。
迷った挙句、2020年6月18日にビゴライブという配信アプリに登録しました。(IDはbiwayunkoroです。検索してね。「琵琶ゆんころ」でも出ます)
色んな配信アプリがありいくつか試した中で伸びそうな、そして世界のユーザー2億人(現在は3億人突破だそう)というグローバルな活動ができそうなのがビゴライブだったのです。
配信ボタンを押しても誰も来なくて、レベル1,2位の無課金海外ユーザーしか来ない日々が2カ月くらい続きました。
公式ライバーに応募してみても、落ちました(笑)マイナージャンルで、伸びないと判断されたかもしれませんと言われた苦い思い出。
そのあと、うちのお弟子さんがバックアップしてくれたり配信仲間がサポートしてくれて8月末の新人イベントで1位に入賞できたけれど、それからが割と茨の道で今もそれは続いています(笑)
まず、琵琶歌をそのまま毎日配信することが難しい。
門下に属しているので師匠にお許しをとって演奏しているのですが、稽古を詰めて練りこんでいない曲をやることは反対されているので、毎日テキトーに演奏はできません。
もともとここ数年は古典をやり直すために、今迄ついていた先生を離れ(しっかり手順は踏んでいますのでご安心を)新たな気持ちで師匠に教えを請いにいっているのですから、言われたことを守るのは当然です。
でも、リスナーさんにも楽しんでもらいたいし、色んな思いを伝えたい…と思い雑談配信を毎日は続けています。
配信アプリでの配信スタイルは色々あり、主に下記の感じです。
・音楽ライバー
・企画配信ライバー
・ダンス配信ライバー
・料理、その他得意なことを配信するライバー
などなど。
音楽ライバーに所属するのか、雑談配信メインなのかかなり迷いましたが、いわゆる「皆が知ってる曲」ができないので音楽ライバーと雑談ライバーの真ん中くらいの立ち位置にいます。
音楽配信をする一環で週に1,2回「スナックびわびわ」というカラオケ配信枠も作っています。
が。
これまたなかなか難しい…。
若くて可愛いライバーが増えたのもあるし、演奏しないからなのかな…いやいや演奏しても大して人がが来ないぞ…涙、と自分の人気のなさを改めて痛感する日々です。
前述したように、コロナ禍で年配の先生が教室を閉じてしまったり、正直琵琶どころではない、と教室を辞めた方も知っているし、私の教室でもやめた方、地方に帰ってしまった方、たくさんいます。
悲しいことだけど、生活が第一だからそれを選択したとしても止めることはできません。
私はコロナが明けた日に琵琶を聞く人がゼロ、琵琶の需要ゼロ、を本気で憂いていて
ライブ配信を通して考え方や琵琶界についてもちょっとしってもらえたらという気持で配信しています。
今はビゴライブ内のGMLH(グローバルミュージックライブハウス)という架空の音楽ライブハウス世界版の配信ができるオーディションを受けるつもりです。(一度落ちた…)
審査に合格すれば、その枠でいろんな国の方に聞いてもらえます。
そんなの一部の人にしか聞いてもらえないでしょ、と思われるかもしれませんがお客様10人のカフェで演奏するのも、配信で演奏するのもすべて「本番」ですから。
(GMLHはだいたい5000人位のリスナーが集まります)
私の演奏配信はかなり少なく、音楽ライバーがリクエストに応えて歌謡曲を演奏してくれる配信でもない。
でも琵琶の音色を次の世代に届けたい、配信という新しい演奏スタイルで時代に取り残されないように生き残っていきたいという気持ちで配信しています。
言うのは易し、継続は難し。
6月18日で配信1周年です。
自分では考えもしなかったライバー仲間やリスナーさんの助けでミキサーやマイクを導入したりしてなんとか配信生活を続けています。
私はなぜライバー活動を頑張るのか
私にとってライバー活動も古典の稽古も、お弟子さんの育成も。はたまた戦前の琵琶楽研究も。
全て琵琶のためだから頑張れる。逆に私を動かしている原動力はすべて「琵琶を次世代に繋ぐこと」。
私の人生、琵琶と言う軸がなかったら普通に大学を出て就職をして、大きなやりたいことも持てずにいたと思います。
琵琶の稽古は自分のテキトーなところ、弱いところ、物事が続かないところ、頑張ってもいつも一番になれないとれないところ、一番になれなくて凹んでしまうところ、それほど大して頭が良くないところ、など色々ダメなところをつきつけてくれます。
それから逃げるのは簡単です。やめるのは一秒後に誰でもできます。
やめないこと、続けること、応援されることをありがたいと感じること、みんなみんな琵琶が教えてくれました。
コロナで琵琶楽の衰退が早まるかもしれない、今世紀中に琵琶が滅んだらどうしよう。
そんな気持ちから配信を始めました。
私より後からとから始めたライバーさんにあっという間に追い越され、たくさんのすごいライバーを見てやめたくなることなどしょっちゅうです。
人が来なくて泣きそうなこともしょっちゅう。
でも、適当な演奏はごめんなさい、できません。
私のしゃべりなんぞ大して楽しくもないよと思われるかもしれません。
実際始めた当初は全然喋れませんでした。
今や大学での講義も台本なしでできますが、本当はたくさんたくさん人前で話す練習を家でしました(笑)
リスナーさんや応援してくれる方ににいつも思っていること
不器用で大したこともできない私を応援してくださって、ありがとうございます。
今はお弟子さんのなかで琵琶の修理を学んでくれている方や、立って弾く琵琶のストラップの開発をしてくださる方、私と一緒に将来演奏してもらえそうな方、多くのビワビワな人たちが頑張ってくれています。
もう少し琵琶の仕事も琵琶界の人たちに作ってあげたい。
今後は社団法人か株式会社かわかりませんが、もっと琵琶の人たちが活躍できる場を作れるようにしていきたいというのが当面の目標です。
琵琶をアピールしていくには、個人の力では足りず、多くの方の応援が必要です。
だからこそ、私自身がもっと大きくならないと。
演奏家としてはもちろんですが、応援してもらえるように、琵琶を愛してもらえるように当面は大規模な演奏会はできませんが、配信を中心に少しずつコツコツ頑張っていきます。
これからも応援のほど、よろしくお願いいたします!!
びわびわ~~~