密着!演奏前日・当日の行動【準備するもの・楽屋での行動】

かえるさん
琵琶の演奏会のときの一日のスケジュールはどうなっているの?
演奏前にケアしていることとか何の準備をしているか知りたいな。

 

びわ@ゆんころ
演奏家の、本番までの1日のタイムスケジュールをよく聞かれるので、お答えします。
女性と男性は違うと思いますが、参考にしてください。

 

演奏の前日から当日の下準備から、持ち物まで公開します。

演奏は前日から始まっている…!ので、ぬかりなく持ち物をチェックしましょう

演奏の前日に準備するもの

・着物、襦袢、草履、帯、その他腰ひもなどの和装アイテム
・かんざし、鏡、化粧道具
・くし、ピン、ヘアスプレー
・チラシ、配布資料
・ハンドタオル
足袋
・筆記用具、領収書など
・販売物(CD、グッズなど)
・譜面台
・録音機
・水

女性は着物に使う小物が多いので、確認して準備しましょう。

学校や企業などの公演の際は控室に鏡が置いていないこともあるので、大きめの鏡を持参すると衿元が確認できて便利です。

また、演奏が椅子か正座かによって譜面台も背の高いものと正座用と変わってきますので、事前にどちらで演奏するか伺うようにしておきましょう。基本的に邦楽用の見台は用意しているところがないので、自分で持ち運ぶことが多いです。

ひとつ持っておくと便利ですよ。

びわ@ゆんころ
私は自宅からは洋服で伺い、現地で着換えさせていただくことが多いです。
楽器とスーツケース姿なので足元はジーンズ、スニーカー。
頭はヘアセットしているので和髪、という超ミスマッチな恰好です。
このスタイルも慣れます。
マスクをしてしまえばすべてOK。

 

あとは…足袋!!!

足袋は本当に大事です。片側だけ2枚持って行ったり、持っていくのを忘れたり、サイズが違うものを持って行ったりと何度ミスったことでしょう…。

演奏場所が上野や浅草、銀座など呉服店が多い場所であれば買いにいくことも可能ですが、全然お店がない場所での演奏で忘れたとなると悲劇なので絶対に琵琶ケースに一組しのばせておくなり、用心をしてください。(私だけかも…

1演奏前に注意すること

・糸(弦)は前日までに替えておく
・演奏の5時間前には起きる
・前日に稽古しすぎない
・当日の朝は声出し程度、音程確認程度にとどめる
・忘れものチェックは前日夜までに

低血圧な人は特に注意です。まず体が起きていないと歌えないので本番の最低5時間前には起床しましょう。
余裕をもって行動するのがコツです。
また、前日に稽古し過ぎるとせっかく糸を前日に替えても糸はすり減り、喉はカラカラ、こんな状態で本番どうしよう!という不安の三拍子状態に陥ります。
当日は確認程度におさめ、前日までにしっかり完成するようにスケジュールを立てて稽古をするようにしましょう。

本番前に弾いたり歌ったりしたからといって、昨日より格段に上手くなることはありません。

余裕がとにかく大事です。焦って自分をもっと焦らせないように気を付けてください。

糸の替え時について
ひとそれぞれ、稽古の頻度によりますが、一般的なことを記します。
毎日たくさん稽古している人は、前々日くらいに替えるのでもよいかもしれませんが、当日に糸を替えるのは絶対やめてください。
確実に演奏中に音が下がります。4,5弦は前日で構わないと思いますが、1,2弦は4日くらい前には替えておいたほうがいいですね。
糸が伸びるまでに時間がかかります。3弦も3日前には替えた方がいいでしょう。
白くなってしまっている糸だと、さわりが全然聞こえません。
演奏当日に最高の音が出るように調整しましょう。

2家を出て演奏会場入り前にすること

・声出し、ストレッチ
・朝ご飯を食べる
・ヘアセット

会場で声出しができないところも多々ありますので、簡単にストレッチなど体を動かした後に声出しをしていきましょう。

声出しは「あーえーいーおーうー」などと単一の音を伸ばしたり、落としの節を母音だけでやったりいつも演奏前はこれをやる!という風にきめておいたものを粛々と行うといいですね。

何も考えずに演奏の日の朝はこれだけやっておこう、と体を目覚めさせられるので、自分だけの発声練習を作っておくのがおすすめです。

演奏前に胃に物をいれると気持ち悪くなるという方がいますが、朝食を食べないで歌うと力が出ません。

食べると内臓も動き、体も起きてきますので軽くは食べるようにしましょう。

ヘアセット

女性は和装の際は、なるべくアップにしたほうがステキに見えます。

ダウンスタイルは若い方は可愛いのですが、年齢を重ねるとよほどおしゃれでない限り野暮ったく見えます。

演奏しているときはやや下を向くので、髪が顔にかからないようにするのが基本です。

 

美容院に行く方は逆算してセットに1時間くらいを見ておいた方がよいです。

自分でセットをする方はひっつめず、ふんわりセットできるようぜひ工夫してみてください。

また、着物の際は頭が大きい方が首が細く見えるのでウィッグやあんこを入れて盛るようにすると美しいと思います。

東京で和髪をセットしてくれる美容室は、クレール(銀座)さん、ラパン(銀座)さん、GINZA STUDIO S(銀座)さんなどがあります。花街の近くだとセットサロンもあり、和髪セットが上手なのでお願いするのもテです。

私はラパンさんのセットが好きなのですがセットだけで3,500円と割といいお値段なので、撮影のときや、大きいイベントのときにお願いしています。(伊藤さん指名)
他の美容室は銀座だと1,800~2,800円くらいが相場です。手早く、慣れているので30分以内に必ず終わります。セットだけでこれくらいするので、女子はお金がかかりますよね…

なるべく節約するならば、着付けを自分でできるようにしましょう!

頭は…個人的に着物は衿元と頭がきっちりしていればステキだなと思っているので、自分的に重要なのでここはケチれません。

3余裕をもって会場に到着

到着したら、主催者やスタッフさんに挨拶をして楽屋に伺います。
当たり前ですが、楽屋ではおしゃべりは慎みましょう。
お客様で演奏前に楽屋にいらっしゃる方がいらっしゃいますが、なるべくお断りしましょう。
仕事なので、断わって大丈夫です。
お客として知り合いの楽屋を訪問する際も、本番前は避けたほうがよいですね。
無駄な声や気を遣わないように注意。 余裕がなくなります。

配布物や販売物がある場合、この時点で主催者にお渡ししておきましょう。

当日の伝達事項などもあるので、最低1時間前には楽屋に入ってください。

 

楽屋ですること

・まず楽器を開ける
・着物の小物をセッティングする
・着換える
・メイクを直し、お手洗い

到着したら即、着換え!ではなくまず楽器を開けて調弦します。

持ち運びの際に糸巻きが緩んでいる場合は、早めに元の音に戻しておかないと、本番で音程が狂う可能性が高いです。舞台で強い照明が当たると音が高くなることが多いのですが、温度差がある場所から急に楽器を移すと起こる現象です。

はやめに楽器を会場の空気に慣らしておくことが大事です。

着物も、着慣れれば15分~20分程度で着換えられますが、慣れないうちは着る順に下着や着物をセッティングして着やすく準備しておくと楽です。

裏ワザなのですが、私は長襦袢に半衿を付けるのが面倒すぎて長襦袢に半衿をつけたものをたくさん持っています。

そして半襦袢と裾よけは寒くない時期は、太って見えるので省いています。
直接ポリエステルの長襦袢(二部式のものが使いやすいです)をそのまま洗濯機にボン!

汗をかくので半衿ももちろんポリエステルです。

高価な刺繍や総絞りの長襦袢はお出かけ用にして、演奏のときは汚れてもいい!というつもりで着ています。

 

本番前にお手洗いを済ませる理由は、「終演後に写真撮ってとか、お話とかしていると全然お手洗いに行けないから」です笑

意外と終わった後すぐに楽屋に戻れないので先に済ましておいた方がいいですね。

演奏のあとは汗でめちゃテカるので、演奏直前にメイク直しをして本番に臨みます。

4終演後は

・すばやく着換え、着物をたたむ
・挨拶して帰宅
・録音を聞きなおして不十分な箇所をチェック

私の場合こんな感じです。
打ち上げが好きではないので、終了したらすぐにお風呂に入りたい…!
ヘアセットもしているのでピンをばーっととってお風呂に入るのが至福です。
人によってはお客様と飲んで帰ったり、いろいろな楽しみ方があると思います。

 

本番の録音を聞くこと

できれば、自分の本番の録音をしておいて客観的に聞くようにするのをおすすめします。
家で稽古するのと本番では状況が違いますし、何がどうできていないかをチェックするのも稽古です。
始めのうちは、演奏が終わったばかりなのにミスしたところやできなかった現実を見るのがつらいかもしれませんし、面倒かもしれませんが、次の演奏に活かすために必要です。ぜひ聞きなおしてください。

早くまた演奏活動ができる世の中になるといいですね。

ビワビワ。

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